森の射手問題について
森の射手問題
神が森を創り、そこに人間を創造した。あなたは今、森で目覚め、神に創られた人間であることがわかっている。さらに、神の声によって次のことが教えられた。
1)「私は、二つの森のうちどちらか一方を作ろうと思った。どちらの森にも天使が一人住んでおり、人間を見つけると、ただ1人を、ただ1回だけ、弓矢で射る。さて、一つの森は、その天使のほかに、5人の人間を含んでいる。もう一つの森は、天使のほかに、500人の人間を含んでいる。人間たちは互いに出会うことはない。この二つの森の構想を抱いて私はサイコロを振り、どちらを創るかを決めた。そうして一方だけを創り、その結果、おまえとこの森は誕生したのだ」
神の声が消えてからしばらくして、木々のむこうから矢が飛んできて、あなたの肩に突き刺さった。ここで神の声がした。
「天使の矢に射られたな……。さて推測せよ、私はどちらの森を創ったのだと思うか? 5人を含む森か、500人を含む森か」
2)あなたが目覚めた状況は 1)と同じだが、神の声は次のように言った。
「私は、二つの森を作った。どちらの森にも天使が一人住んでおり、人間を見つけると、ただ1人を、ただ1回だけ、弓矢で射る。さて、一つの森は、その天使のほかに、5人の人間だけを含んでいる。もう一つの森は、天使のほかに、500人の人間を含んでいる。人間たちは互いに出会うことはない。この二つの森を創り、この森はそのうちの一つなのだ」
神の声が消えてからしばらくして、木々のむこうから矢が飛んできて、あなたの肩に突き刺さった。ここで神の声がした。
「天使の矢に射られたな……。さて推測せよ、おまえのいるこの森はどちらの森か?
5人を含む森か、500人を含む森か」
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「どちらか」可能性の高い方を答えるわけだが、1)と2)は、同じ答えになるだろうか、それとも違う答えになるだろうか。理由をつけて答えてください。
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眠り姫問題と森の射手問題との関連
眠り姫問題において、学会で討論される場合にはしばしば、唯一設定と反復設定との差異が意識されているようです。上の森の射手問題の1)のケースが唯一設定であり、2)のケースが反復設定です。そして、通説では、設定ごとに得られる確率が異なるとされているようです。
眠り姫問題の理解に当たって、1/2派の人は、唯一設定を意識下で前提しているのかもしれません。が、よくわかりません。先日当日記でご案内したオリジナルの眠り姫問題の三浦先生による解の記述では、唯一設定と反復設定とをキーワードにしています。なお、眠り姫問題そのものは唯一設定と考えることが普通の「読み」のようです。
森の射手問題の解
理解していない私には解説不可能です。すみません。答えは論理サバイバルという本に書いてあります。