常温核融合の復讐

たとえば、『ジェダイの復讐』という邦訳の題名があってもその意味をそのまま受け止めてはいけません。アレは、『ジェダイの帰還』が本当の訳出。 return という簡単な英単語を復讐と訳さずに帰還と訳せ、というだけなんだけれども。ま、わかっててあえてインパクト強い邦題にしているのだよね?>関係者殿

というわけで、常温核融合の復讐。いや、帰還。『帰ってきた常温核融合』。

http://hardware.slashdot.org/article.pl?sid=08/05/24/0345245

http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page284.htm

検証に耐える再現性の高い、安価な簡単な実験装置を工夫してしまったところに素晴らしさがあるわけですね。

そもそも常温核融合はトンデモ科学じゃね?マッドサイエンスじゃね?とか言われ続けてきたわけですけれど。その表向きの原因は、誰かが「ほら常温核融合の実験に成功したよ」と発表してもですね、ほかの人が「マネして実験したけどサパーリ核融合起きないんですけど?」「苦労させやがってガセネタふかしてるんじゃねぇよ!」「だいたい理論的におかしいだろ?常温で核融合なんて妄想!」という勢いになってしまっていたからなんですよね。ニセ科学というレッテルが貼られてきたのは、激しい『再現性のなさ』に原因があるんです。
あげくのはてに、フライシュマンさんとか初期の常温核融合実験者たち自身も核融合を再現できなくて、実験データの再度の発表にあたって捏造マガイまでしてしまうというトンドモな事件があったわけです。これは科学の進歩にとって本当に害がありますね。常温核融合を言い出すモノはヤマシ、と考えられるようになったわけです。結果として若手の科学者なんかも、手を出すと一生を棒にふることになるわけで。

再現性がない理由はだんだんと判明しつつあるようなんです。 どうやら固体物理学、凝集系物理学と密接にかかわってくるからなんです。ハッキリ言えば物性物理学。 重水素いれてテケトーに環境を整えればオッケー、というわけにいかず、 ヘリウムさんが出てくるための『畑』をどうやって作るのか、というところの解明がもっとも大事なんてすね。 で、この畑が難しい。 だから再現性がない。ある実験でうまくいっても、別の場合に模倣した再現実験ではうまくない。 本質的に量子力学的な未解明の物性物理、表面物理学的な部分がかかわってくる。

だから、今回発表の実験のように、検証に耐える再現性の高い、安価な簡単な実験装置でもって、公開実験できるほどの、自信に満ちた実験というのは実に大きいんです。あとは追試を待つだけ。追試どんと来い。追試をやればやるほどみんなが納得するよ。という勢いがすごいんです。

ちなみに、今回の実験では使える有効なエネルギーが出てるかどうかは二の次です。 ここにナニカがある、それがわかればいいのです。 スタートラインに立てるかどうかなんですよね。

なお、常温核融合系では、住友重工業三菱重工先進研が、金属の核種を転換する、再現性の高い実験装置を作っており、すでにパテントも出ています。 放射性廃棄物を安定した核種に転換できればすばらしいでしょ?宇宙戦艦ヤマトでおなじみのコスモクリーナーですよ。このパテントが出ている。 また、フランスやイタリアでも同系統で国家予算が出ている。原発の問題をクリアしたい一心なんですよね。

ところで。常温核融合があたりまえになれば、原油の価格が安定するようになるでしょう。ひいては世界平和につながることでしょう。 食料の問題や温暖化問題にもちょっとはいいよね?

なんとかこの瀕死の地球文明が生きながらえて、やがては、宇宙に居住権が移せるだけの体力をもった新しい文明がやってくるといいなぁと思います。