クリーンで安全な核エネルギー開発進行中か

三菱重工先進研の発表
http://www.mhi.co.jp/atrc/products/pd_tamakuso/pd_tamakuso_1.html



(1)学術的波及効果
物性物理と核物理という異分野が融合した、フロンティア領域の学問分野を創成
(2)工学的/社会的波及効果
A:日本で産出しない戦略的貴重元素の生成
産業に不可欠だが輸入依存度の高い貴重元素(白金等)の創成
B:有害元素の変換処理
医療用・発電用放射性廃棄物処理による社会負担軽減
C:新エネルギー源
化石燃料の百万倍(原子炉相当)のエネルギー獲得

素晴らしい!

既存の核分裂型原子炉を世界中で禁止できれば、核拡散防止にも大きな前進になるだろう。 時代遅れになれ、核分裂原子炉!

原子番号が4、質量数が8増加する方法での核変換は本当に有望。クリーンだ。

阪大・静岡大・伊INFN(核物理研)で再現実験に成功とのこと。 物性の時代かもですねぇ。今もだけれど。

追記:凝集系核科学という新しいフロンティアらしいですね。
…例えば、超伝導は特殊な物性環境において初めて成立しています。物質中に上手に整えられたすごく狭いところに電子を流すと超伝導になるわけで、研究の最初のうちはいかにして上手に環境を作るかというのは手探りの上でした。未だに手探りは進んでいますけれどね。 いろいろな研究者が互いに独立して様々な研究室で失敗を繰り返しながら超伝導になる環境を求め続けたわけで、競争が激しかったわけです。
凝集系核科学においても、でっかい国家的なプロジェクトをひとつ作れば良いというものでもないことでしょう。実験設備にかかる予算は通常の学園の研究室では、少々まかないきれない金額のようです。 ですが大幅に資金がかかりすぎるということもないようです。 多数の研究室が、よってたかって手探りしながら新しいフロンティアで結果が出せるように、切磋琢磨しながらいい意味での競争が出来るように、そのような支援を国レベルで組みあげることは出来ないものでしょうか。これから100年の日本を考えますと充分に元をとれるかと思われますけれど。 イタリアでは既に国レベルで予算がつきはじめているようですし。
…新しい核兵器になりえるかと考えてみたのですが、たぶん大丈夫でしょう。 自然状態でこの種の核変換が発生することはたぶん無理だと考えられるからです。(生物の体内で発生しているという仮説もあるようですがたぶん無理でしょう) 超伝導同様に、凝集系核変換もまた、特殊な物性環境でしか反応が進まないからです。 狭いところにイロイロつっこんでいく方法が鍵なんですね。3D的な自由度を持つ空中や水中では無理。 ただし、人為的に、従来の核反応の種になるような物質を作り出すことがあるいは可能なのかもしれませんが。(そうなるとちょっとした実験室環境があれば製造可能な核兵器の出現となりますね、テロル的に心配なのかな?)
いずれにせよ、国レベルで資金投入しておくべきかと思います。片っ端からアイデアを搾り出して試していって有象無象のパテントを握っておかないと大変なことになります。これからの世の中、知的財産でしか日本は生きていけません。