人間は社会的生物か

人間は社会的生物である、と言われることがあります。子供の頃からこの言葉は私にとって馴染みがありました。受験勉強も終え大学に入ってまもない1年生の頃に受講した渋谷先生による政治学講義で、人間は社会的生物ではない、と教わり、強く印象に残りました。渋谷先生曰く、『人間は社会的生物』ではない、『社会創造的生物』である、うんぬん。社会を形成して生活をしている動物は多種に上ります。人間はそういった種と明らかに異なるところがあります。人間は、社会を造り返る能力を持ち不断の営みをもって社会を進化させてきたと受け止めました。渋谷先生は革命について教えてくれました。暴力革命とか左翼的革命とかそんな範疇にはいらない革命です。社会を創造することが革命であることを学びました。革命は一朝一夕には成し遂げられません。クーデターでは実現しません。社会を造りかえることは、すなわち、社会に属する私たち自身を造り返ることでもあるのですね。
個人的に以下のように感じます。千年を単位として数えられる人類の歴史の慣性はあまりにも大きいです。戦争と貧困と、憎悪と差別と。エセ正義がまかり通る社会。こうした病根を人類から取り除くことが可能かどうか現時点では何も言えないけれども、希望を持って進まなくてはいけないのでしょうね。
人間は固定化された社会に住む生物ではない、新しい社会を造り続ける生物であることを信じて。
こうした意味において、私は保守主義や反動主義とは一線を画すことになりますね。