阿都

阿都は「アト」と読むらしいです。日本書紀用明天皇のくだりに地名として登場。河内にあったらしい。興味深いことに都を「ト」と読むのが珍しいんです、上古ないし古代では。普通は「ツ」と読むはずです。これはどうしたことなのかと。

で、調べてみたら、用明紀は21巻にありまして、この部分は、中国語を母国語とする渡来人が書いていること、間違いがないんですね。日本書紀とα群とをキーワードに検索するとわかります。だとすると、用明紀の都は所謂漢音によって記されたことになります。アトの読みでオーケー。古事記日本書紀のβ群、あるいは万葉集では、「都」は「ツ」と読みますが、こちらは所謂呉音。漢音と呉音の差であるわけです。

さて、魏志倭人伝において「伊都国」の読みは時代的に見て漢音ではありません。呉音です。つまり、「イト」ではなく「イツ」と読むべきです。なのに、定説では糸島(いとしま)に比定しています。これはなにやらキナクサイことになってきました。ヨミが違う!

私は伊都国は有明海沿岸にあるべきだと別途考えていましたのでこれは良い兆候です。