ツシコヲって誰だろう?

というわけでツシコヲをおいかけているうちに、ふと、似た名前があることに気がつきました。 珍彦です。これでウズヒコと読みます。 ウズはどうやら「宝」の意味らしいのですが。

http://kamnavi.jp/log/ikari.htm

もうひとつ、ヤチホコ=「八千矛」なる別名をもった大国主も連想が飛びます。大国主にはまだまだ別名があって、葦原醜男・葦原色許男(あしはらしこのを)、顕国玉神・宇都志国玉神(うつしくにたま) などがあります。葦原が「ウチ・ウシ・アシ」のことであるとするならば、ウツシコヲの候補として、葦原色許男も充分に資格がありますし、宇都志国玉神もまた、「国玉・神」という美称を取り除くと「宇都志」になりますし、助詞としての「志」を考えますと、宇都志国玉神=宇都の国の宝のカミになりますから、ウツシコヲ=ウツのシコ(力強いの美称)のヲ(勇敢な男)と音韻的に近いかもしれないと思われます。なお、布都斯御魂の斯(シ)は助詞として使われています。

上代において、ウツシコヲという系統の名前がどれほど珍しいのか私には検討がつきませんが、そういった人物のひとりに、魏志倭人伝にある「都市牛利」として登場した有力者がいたとしても不思議ではありません。