難斗米は女性なのか

魏志倭人伝に出てくる重要人物の一人に難升米がいます。日本書紀では難升米を難斗米と作っています。これが正しいとするならば(つまり日本側に正しい伝承が残っていて難斗米とした一方、12世紀バージョンの魏志倭人伝には誤植があった…ないし中国側の聞き間違いによる書き間違いがあった…とするならば)難斗米は女性であったと考えるほうが自然なのです。というのは、記紀風土記などで「ほげほげトメ」という多数みられる人物が女性とみなされるからです。
ところで難斗米を奴国のトメとみなすと…ナトメはヒミコの名代となって大使として中国に派遣されたことになります。
さて、物部系の大豪族である尾張氏、主として各王朝の祭祀や軍事を補佐してきたわけですが、その尾張氏の家系の初代付近には、「ほげほげ斗米」なる人物が複数出てきます。女性シャーマンであったかもしれません。

…でもねぇ。倭人伝によれば、難斗米は「よく遠路はるばるここまで来た」とか褒められて中国側から立派な官職を賜ってきているんですよね。「そつぜんちゅうろう」だったっけかな?これ、軍事色の強い官職名なので難斗米が女性だとすると理解に苦しむわけです。 

いずれにせよ、難斗米が物部系と強い関係があるかもしれない・・・と考えるとワクワクします。 安本美典先生による信頼できる分析によれば、物部の故地は北九州の遠賀川流域ですから、奴国と関係ありとしても矛盾しないことでしょう。