ウガヤフキアエズと真珠

ウガヤフキアエズシリーズ。でもちょっと脱線して真珠のはなし。
神功皇后が土佐に行ったときに真珠をもらって喜んだ話が土佐風土記に出ているらしいです。真珠は割合と古代から日本の暖かい地方で採られています。主としてアコヤ貝から。
真珠は魏志倭人伝にも登場しています。魏から派遣された張政の報告からだと思われますが以下のように。


倭の地には、真珠・青玉を産する。山には丹が出る。
でも不思議なことに、魏から倭に真珠をプレゼントしたことも魏志倭人伝に出ています。鏡100枚や鉛丹などとともに。ま、儀礼的な高価なプレゼントだからいいですか。
ふと思ったのが、ウガヤフキアエズのウガヤって、アコヤの転訛ではないのかと。ウカヤと呼んで真珠を指すとか。関連の深い神功皇后の又の名を下照姫をみなすと、記紀には面白いことが。神功皇后=下照姫が妊娠したのは川を流れてきた赤い矢が原因だというのですね。ついでに日光にあたったことも原因なのですが。赤い矢=赤矢=アコヤ?という連想が出てきます。日輪信仰と重ねての権威を赤矢という男性が持っていて、下照姫との政略的婚姻を示すとしたら?そして赤矢がアコヤ=真珠=太陽とのダブルイメージだとしたら?そして生まれた子供にアコヤという尊称イメージが引き継がれていたとしたならば? ウガヤフキアエズのウガヤがアコヤを示していたとしても不思議でもなんでもありません。アコヤが尊称であること、奈良時代まで続いていたかもしれません。蘇我の赤兄(アカエ)という人物がいたからです。親族にもうひとりアカイという人がいたと思いますがちょっと今失念しています。

重ねて別方面で想像力を刺激されるエピソードが。神功皇后が攻めていったオシクマ王・カゴサカ王なのですが、カゴサカ王は割りとすぐに死んじゃうのですね。さぁ皇后が攻めてくるぞ、どうしよう?という戦略会議を開くわけですが、その時に、カゴサカ王は赤い猪にやられて死んじゃうんです。原文では殺したのは赤猪。これをアカイと読むならば、アコヤと関連が出てくるかもしれません。また尊称としての赤兄とも関連があるかもしれません。カゴサカ王の陣営の内部にいたのか外部から急襲されたのかはわかりませんが、アカヤに殺されたと。
で、そのアカヤが神功皇后と結婚して子をなすわけですが…
想像の粋を出ませんが、なにやらアッタかもしれないなぁと思うのです。そうそう、下照姫の又の名がひょっとしたらアカル姫なのですが・・・どうしましょ?

ところで。
ちょっと前にオシ・クマが出雲(=葦)+熊襲、カゴ・サカ王は鹿児島プラス「何か」だと書いたのですが、実はサカってなんだ?とその時点では疑問に思っていたのですよね。

サカって、アサカかも知れません。というのは、猿田彦の住処なんです。で、猿田彦は、カゴサカ王陣営から裏切って神武天皇側(実は垂仁天皇あたり)になびいたとしたならば? など連想してしまいます。垂仁天皇がアカヤで、神功皇后と政略結婚してオシクマ王カゴサカ王陣営からサカ領地に内応者=猿田彦を得て勝利したと。

え?時代設定が違うだろうって? そりゃそうですが、神功皇后のハナシってそもそも全部そうなんですよね、史料的には。つまり、史実にあったことが神功皇后のハナシとして紛れ込んでいると思うのです。

まぁでもウカヤ=アカヤ説は自分自身、あまり信用していません。なぁんだとガッカリしないでくださいね。ウカヤって別の意味のほうが強いと思うので・・・それはまた別の機会に。

あ、ついでに。猿田彦は中国人張政だったかも、という奇説があるのですよねぇ。聞いたときにビックリしましたがツジツマがギリギリ会うんです。それに「張」の字を当時の発音で日本風にナマルと「サル」になるのですよねぇ。驚いた。中国人張政って日本まで来たけれどヒミコは死んでるし日本が戦乱まっただなかので帰れない。そこで平和を打ち立てるために別のヒミコ=豊(トヨ)を立てて味方するってハナシはどうですか?魏の権威でもってゲキをとばしたんですよぉ。・・・SFですね(笑