ある数学者の実例

名前は失念しましたが、ある数学者が有数の名門大学の経済学科の生徒を相手に上記と等価なゲームを実演したことがあります。そして、勝ってしまったのです。以下のようなゲームを考えます。
学生は、2枚のカードを与えられます。その2枚のカードのそれぞれに学生は好きな数字を書きます。ただし、2枚のカードには同じ値の数字は書きません。書いてよい数字は、マイナスでも良いし分数でもよいし、とにかく、紙に書ければ良いものとします。 書き終わったら両方のカードを机に伏せて、かき混ぜます。 これで準備完了。数学者は(もしくはアナタは)伏せられた2枚のカードのうち、1枚をオープンします。開かれたカードの数字を見た後、数学者(もしくはアナタ)は、この開かれたカード、もしくは残りの伏せられたカードかを選択できます。選択したカードの数字が選択しなかった方のカードの数字よりも大きかったら、数学者(もしくはアナタ)の勝ちです。学生たちは、自分が勝つ確率は50%ぐらいだろうと踏んでいたのです。ところが。
実例では、数学者は、経済学科の学生42名のうち、30名相手に勝ちを拾い、12名相手に負けました。これには学生たちもビックリでした。このデモンストレーションではこの数学者は驚異的な勝率を稼いだことになります。42回サイコロを振って30回も丁の目が出る確率なんて知れたもんだからです。むろん、このシチュエーションならば、今の私なら、ある程度勝ちを拾えることでしょう。そして、あなたもコツを聞けば、あぁ、そうなのか、と膝を打つことでしょう。