量子暗号の原理にセキュリティホールがあるのか(2)

頭語

表題の件、最近、気になってしょうがないので。 「宇宙の法則なんだから盗聴なセキュリティホールがない」みたいな言い方されるとムカつく、みたいな。それほどに、正当な量子力学の解釈が絶対的なのかな?ということで。

ミナス・ジェライス大学のステファン・ウォルボーンらの実験

この実験、量子暗号がその安全性を依拠している非局所性についての肯定的実験のひとつなのですけれどね。PDFが以下に。

http://grad.physics.sunysb.edu/~amarch/Walborn.pdf

私なんか、ムチャな人間ですから、この実験をみると、「なんだよ、コペンハーゲン解釈ってマダマダ怪しい、こうなると、量子暗号なんてアテにならんじゃないか。」と思ってしまうヘソ曲がりなんですよね。

実験結果の怪しさ

実験では非局所性が肯定的に現されているほか、観測行為の時間依存がないという信じがたい結論に。EPR対の光子でもってアーター・エカート型の量子暗号を構成した際に、盗聴者による観測行為がEPR対の純粋状態を破壊してしまい混合状態になるがゆえに通信者は盗聴されたことを知ることができるという原理が、この実験結果の怪しさゆえ、信頼できなくなってしまいます。いいすぎかって?

だって、EPR対の光子群でもって、超光速通信が可能だっていうトンデもない実験結果になっているからですよ。ありえないですよ。と言いたい。

この実験ではアリスがEPR対を壊したり壊さなかったりすることが可能、自分が自分を盗聴しちゃうわけ。すると、ボブが盗聴されていることを「干渉縞」が出現するかどうかでもって判断できる。 アリスは適宜モールス符号を使ってツートンで、EPR対を壊したり壊さなかったりできるわけでしょ?その情報はボブに伝わる。そしてアリスとボブの間の距離に無関係、時刻に無関係なんだから結論は明らか。時空の中で非局所通信の出来上がり。

よーく考えてみればわかるけどね。非局所性について人類はマダマダ知るべきことがイッパイあるのだということ。なにかしら知るべき。それまでは量子暗号は安全であるとは言い切れません。