サムロイドとその12歳の息子が船上の余興で行った手品のタネ
あなたにはこの手品のタネがわかりますか?
パズル好きなら誰でも知っている高名なパズル作家のサム・ロイドと彼の12歳の息子が船旅をしているときに余興で手品をしてみせたことがあります。プロの手品師を含む観客の前で見事に手品は成功しました。あろうことか、手品師にもそのタネはまったくわからなかったのです。
息子は目隠しをされ、観客とは反対の方向に背を向けます。何がおきているか見えないのですね。サム・ロイドは、観客のひとりにトランプを渡し、よくシャッフルをさせます。そのトランプの束から適宜1枚を客にひかせます。ロイドがその1枚を受け取り、観客全員に見せます。
すると、めかくしをされた息子が、そのカードを言い当てるのです。これは何回やっても成功します。
プロの手品師がわからなかったこの手品のタネをあなたならわかるかもしれません。すでにすべての情報はこの文章に記しました。
タネあかしのヒントです。私はこのタネを知っていますが、実演することができません。この日記の読者の中には、あるいはすぐにでも実演できる人がいるかもしれませんけれどもね。
・・・いくらやっても「続きを読む記法」が使えなかったので、ここから普通にタネをあかしちゃいます。
・・・サム・ロイドは腹話術を使ったのでした。なぁんだ。
さて、観客中のプロの手品師がロイドのトリックを見抜けなかった理由を推理してみましょう。 プロ手品師は、一枚選ばれたカードについての情報を、ロイドが息子に、どのように伝達しているのか、そのことにのみ注意して演じる親子をみつめたいたに違いありません。伝達の方法を考え抜いたのでしょう。しかし実際には、ロイドは息子に情報を伝えていませんでした。ここが盲点だったのですね。
ま、息子が出すべき声が12歳の声というのも丁度よいころあいなのでしょうね、ロイドの腹話術の対象としては。また、息子は観客を楽しませるために工夫されたボディランゲジを演じることに楽しみをみいだすことができたことでしょう。実にいいかんじの親子です。きっと良い船旅であったに違いありません。
※ここでタネを明かす前に鋭く見抜いたid:kazuhooku さん、すごいですね。私は一週間ほど悩みましたよ?・・・先ほどプロの手品師の推理方法について考察しましたけれども、実はアレはそっくりそのまま、私のそのときの悩みについて書いたまでです。ははは。頭が固いのは困ったものです>自分