火星に到着したスピリッツの探索機が密かに仕組まれたバックドアのおかげで息を吹き返したオハナシ

素敵だ・・・

火星着陸時の衝撃で地上探索機搭載のコンピュータのフラッシュメモリファイルシステムが壊れたのでOS再起動の永遠の繰り返しになってしまった。起動するとフラッシュメモリのエラー検知をして再起動・・・。地球からのコマンド送信しての通常の初期化起動も無効になるし万が一のための最低限モードによる起動指示もきかない。対策のために何日も全スタッフは24時間苦しんだんだって。ところで起動ってエネルギー食べちゃうんだよね。起動直後にそれまでの活動履歴を地球に送信する仕組みなんだけど電波出し始めて履歴がはいっているフラッシュメモリの中身を検索すると落ちる。これの繰り返し。クソデータにみちた電波のたれながしが繰り返されてエネルギーが減っていく・・・そうこうしているうちに太陽光による発電とバッテリーとのつりあいがとれなくなってエネルギーの完全な不足になり瀕死状態に。極寒の夜がくれば耐えられないかもしれない。

でも開発担当者のたったひとりだけが誰にも知らせずに仕込んでおいたバックドアがあって助かったんだって。「ポンコツの起動」コマンドがあってフラッシュメモリを見に行かない優れもの。送信したらとりあえず起動成功!
その後も苦労はあったみたいだけれど。探索機の大活躍の結果はみなさんもご存知のとおり。

バックドアが地球の科学の進歩にこんなに貢献した例はたぶんないでしょうね。

というわけで、開発者は必要かどうかわからなくても設計要件以上のマージンを確保しておきましょう。そして内緒にしておきましょう(嘘)