伸びる宇宙船の謎

メモ:伸びる宇宙船の謎

不勉強ながら「伸びる宇宙船の謎」というのを今日初めて知りました。[間歇日記] 1998年5月16日(土)で知ったのですが。ちょっと引用させて頂きます。

さて、わかりやすいように極端な例として、長さが一光年もあるバカでかい宇宙船が、いま低速で飛んでいるとしよう。こいつが、一瞬で百分の一の長さにローレンツ短縮するような速度にまで、一瞬で加速したとする。宇宙船の長さは一瞬で一光年から百分の一光年になることになるが、“外から見て”そんな現象が起きたとしたら、宇宙船のどちらかの端が光速を超えて運動することになってしまうので、もちろん外からはそう見えない。長さ一光年の船は瞬時に加速しても、外から見ればまだ一光年の長さを保っているはずである。すなわち、その“瞬時に加速した”宇宙船が“外から見て”一光年の長さを保っている瞬間には、船は百光年の長さに引き伸ばされていることになる――というわけだ。

大体そのような剛体(相対論で言う)の性質を持つロケットは無い、というのは置いておいて。同時性ないし等時性の論議無しに(ロケットの先端と末端で時刻が同じか?を真剣に考える)は俄かには納得出来ませんし、静止系と運動系のどちらから観測した時に伸びると言っているのでしょう?静止系で観測した時に加速前に長さが一光年であり加速後も長さが一光年であるロケットですか。なるほど、運動系のロケットに乗り込んでいる人から見たら確かに自分のロケットが引き伸ばされているように見えると言う按配、それがパラドックスなのですね。

この問題の亜種は物理学の雑誌「パリティ」にも掲載されていましたね。その時には2台の宇宙船でしたが。2台の宇宙船が静止系に丁度一光年の距離に置いてあって、それぞれに積んである同じ自動運転プログラムで同じように加速してやがて等速運動になった時に、その2台の間の距離は、静止系から見たらやはり丁度一光年であろうと。静止系から見れば宇宙船はローレンツ短縮していますから短く見えますが、宇宙船の間の距離は短縮していない。これを運動系の宇宙船サイドから見れば、最初、丁度一光年の距離にあったのに自動運転しているうちに距離があいてしまったように見える、云々。これは正しいですよね。

ええと、丁度一光年の長さの宇宙船に私が乗り込んでいたとして、静止系からみて百分の一の長さにローレンツ短縮するような速度まで加速した後、等速度運転に切り替えたとします。ロケットの長さが私から見て超長くなっているわけですが、同じように私の体も超扁平になっているわけで。すなわち、ミンチになっています。ロケットも分解です。実際には分子間力などで結合されているので加速している間に補正されるのですよねぇ。加速していますからそこには重力場が見かけ上発生しロケットの先端と後端とでポテンシャルの差が出ていますねぇ、そうすると先端と後端とでは一般相対論によれば時刻の進み方に差が出ているはずですねぇ。色々な現象をどのように評価したものだか…

本当のところ、原子間の結合を破壊しない程度の加速ならば、運動系から見て、加速後でも宇宙船の長さは丁度1光年であって、静止系から見たら宇宙船はローレンツ短縮しているように考えたいですよねぇ。実際の亜光速宇宙船の設計はどうなるんでしょう。これは伸びない宇宙船のお話。ここらで話を元に戻します。

加速後慣性運動している宇宙船(百光年の長さに伸びていますが)に積み込んだ超微細原子間引力測定器が『只今引っ張られていますがどうよ?』とか答えそうで怖い怖い。加速している間だけ伸びるのか等速慣性系になってからも伸びているのか。

慣性運動している系が自分自身が伸びていることを検知していたらとっても嫌ですよね。なぜなら、その系は自分自身の伸びている率を観測して『我輩は(絶対静止系に対してかくかくしかじかで)運動している』ということを結論付けるかも知れません。そんなの相対性じゃぁないじゃん。唯一の絶対静止系を定めることが出来ちゃうじゃん。ということになる。

伸びる宇宙船のお話はSFで有名な『アナログ誌』に載ったパラドックスなのだそうで。石原藤夫氏により厳密解が解説されているそうですがどういう内容なのでしょうねぇ。はて。前野[いろもの物理学者]昌弘のページ:日記兼更新記録-2002.6.3によれば、「銀河旅行と特殊相対論」(ブルーバックス)を読めばわかる仕組みらしいですね。ふぅむ。

さて、私が本日どこで、伸びる宇宙船の謎=「アナログ誌のパラドックス」を知ったかというと、幾何学だけの相対論という啓蒙文献なのです。どうやってこの文献を見つけたのかまるで覚えていません。GIF画像なのでGoogleで拾ってくれていないハズですしね♪HTML化してあれば嬉しいのになぁ。

幾何学だけの相対論では、どうやら、「アナログ誌のパラドックス」を解明済みのようでして、とりあえず私としてはツンドクにしておきたいと思っております。というよりも、等加速度運動が時空図の上で双曲線になっていることを知ってちょっと驚いていますのでそっちの方の理解が先です。(汗)。っていうかローレンツ変換が時空図の上で面積保存を保証しているだなんていうのを…なのでした。え?明らか?ぐへへ。

ええと、宇宙船が伸びるよというお話を肯定的に時空図によって解説しているページがあります。運動系で観測すると進行方向の先端が後端よりも先に加速し始めるから宇宙船が伸びるのは当たり前、という説明。ぐふふふ。先に減速しはじめるのはドコとかいう疑問は発しないように努力しなくては、アセアセ。時空図時空図。

ともあれ、加速期間で何が起きているのか、ですよね。加速している時の潮汐力で宇宙船が分解することなんか、、ぐもももお(壊)ミンチミンチ。